「大相場狙い」通貨オプションの現在
外国為替市場では4月中旬以降、米景気や株価悲観論の修正が進むとともに円の強気派やドル弱気派の勢力が弱まった。ドルの対円相場はこのところ1ドル=102―105円台で底堅い。将来の為替変動を予測する通貨オプション市場でも円高・ドル安方向への波乱前提の取引は減少傾向にある。
ドル・円の予想変動率(インプライド・ボラティリティー)1カ月物は3月17日、直物が一時1ドル=95円70銭台と1995年8月以来の安値を付けたタイミングで20%台まで急上昇。2007年8月17日以来、7カ月ぶりの高水準になった。半面、14日時点では11%台だ。07年8月17日、08年3月17日のいずれも米金融システムや株式市場の動揺が激しかったころで、現在とはやや「隔世の感」がある。
コントラリアン(流れに逆らって基調反転時の高収益をもくろむ投資家)が消えたわけではないものの、一発勝負を仕掛けるには機が熟していないと判断したようだ。
例えばロング・ストラドル戦略。権利行使価格が同じで同一期間物の円・コール(買う権利)とプット(売る権利)を同額買い、設定水準とのかい離幅が広がれば広がるほど多額の利益を得られる。しかし、小幅な値動きにとどまるとオプションの購入費用の合計を限度として持ち出しになってしまう。ボラティリティー低下で競争相手が少ない分、コストが抑えられるとはいえ「勝率が上がらなければ意味はない」(邦銀のオプションディーラー)。
また、ロング・ストラングルと呼ばれる行使価格が異なる同一期間の円・コールとプットを同額購入する手法もあるが、こちらは安上がりの割には損益分岐点が高め。直近のレンジをかなりダイナミックに外れるとの見通しが必要だ。ロング・ストラドルに比べると需要は強まりにくい。
問題は一連の状況の持続性だ。ある外国銀行の顧客担当者は「最近はストラングルやストラドルの売りでオプション売却益の積み上げを狙うケースが増えた」と話す。相場が荒れたさいには損失拡大につながりかねないだけにリスク管理の面では危うい。多少の「揺り戻し」は想定すべきだろう。(今 晶)
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