5月大型連休、需給要因あれこれ
日本では今週末から5月の大型連休(ゴールデン・ウイーク)が始まる。外国為替市場では事業法人や機関投資家などの参加者が減り、海外勢の仕掛け的売買に振り回されることが多い。また経験則では円高が進みやすい時期とされる。その真偽は――。
2000年以降06年までの円相場を振り返ると、連休前の4月25日―連休終了後の5月10日の間で円安・ドル高傾向だったのは2000年、04年の2回だけ。残りの5年は一時的にせよ2―4円程度円高方向に動いた。国際情勢の緊張や巨額の米経常・財政赤字問題などでドル先安観が根強かったことが底流にある。
とりわけ昨年は4月21日開催の7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議後の共同声明で、中国の為替制度改革が「名指し」で求められた直後。人民元上昇が円高につがなるとの思惑で円買い材料への感応度が高まっていた。追い討ちをかけるように米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長が4月27日、利上げ休止を示唆したと受け取れる発言をしたうえ、5月5日発表の4月の米雇用統計が市場予想平均を下回ったことで「ドル強気派」も白旗を揚げた。円は4月26日の1㌦=115円台前半から5月10日には110円10銭前後までの急伸を演じた。
GWは需給面でも円高要因がある。一つは連休前に外貨建て投資信託や海外旅行向けの外貨の駆け込み買いが増えた反動が起こることだ。短期スタンスの海外投機筋も、円を元手にドルなどを買い持ちにすれば数日―10日程度の金利収益が得られるため、便乗する。結果的に円高方向への相場変動のエネルギーがたまるわけだ。
もう一つは休暇入りする国内輸出企業からの指値での為替予約(先物の円買い・ドル売り)需要が膨らむ点だ。こうした注文は根雪のように積み上がるうえ、仮に予約が締結されなかった場合、企業は連休明けに円の手当てを急ぐ公算がある。「円売り便乗組」の持ち高調整の引き金になることも想定される。
とはいえ、事はそう単純ではなさそうだ。国内では外国為替証拠金取引などを手掛ける個人投資家の存在感が増しており、金利志向が比較的強いとされる。GWの休暇期間中は取引も活発で、円売り要因として軽視できない。今年の大型連休が2000年以降で3度目の円安地合いになる可能性は十分にある。(GI 今 晶)
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