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2007年7月17日 (火)

イラン「原油円決済」、円高要因ならず

外国為替市場では前週末13日、「イラン国営石油会社が日本のバイヤーに原油の円建て決済を求めた」との一部報道が円買いを誘う場面があった。現段階では「円建て」のくだりへの条件反射の様相が濃い。実際の円の需給にはどの程度影響を及ぼすのだろうか。
ポイントは2つ。一つ目は、大手の石油商社などは為替予約(先物の円売り・ドル買い)でドルを手当てしており、円決済への移行が現実となれば持ち高解消の円買い・ドル売りが拡大しかねないという点だ。もう一つはやや長い目で見た場合、ドル需要の減少で日本の貿易黒字構造を背景にした円買い圧力が相対的に強まるということだ。いずれも軽視できない要素ではある。
問題はイランが受け取った円をどう扱うかだ。今回の施策は、核開発を巡る米国との対立激化に伴う「ドル離れ」の一環。円資産を積極的に積み増す意志が明らかになったと読むのは早計だろう。市場では「イランは現在の円相場を割安と見ており、円を保有すれば将来の円高進行で為替差益を得られると判断した」とのうがった解説も聞かれるが、外貨準備や国営企業の投資は長期スタンスで金利収益を重視する傾向がある。低金利の円は最終的にはユーロや英ポンド、オセアニア通貨建ての債券などに切り替わる公算が大きい。
しかも昨年後半以降、「原油の円決済要請」の存在はしばしばささやかれており、輸入側でもある程度の備えが進んだ可能性は高い。イランでは既に、ドル以外の通貨建てでの決済が主流になっている。改めて円を買う材料としてのインパクトは乏しい。
国際通貨基金(IMF)が四半期ごとにまとめている各国外貨準備の通貨構成データ(COFER)によると、2007年3月末時点での世界の外貨準備額(速報値、各国公表値ベース)は米ドル換算の総額で5兆3008億8600万ドル。06年12月末改定値(5兆367億5100万ドル)比で2500億ドル以上も増えた。通貨別比率では、明らかになっている分だけで算出すると米ドルが約64.1%と引き続き最も高く、ユーロが26.1%と06年12月の25.8%から若干上昇。これに英ポンド4.4%、日本円3.1%と続く。ポンドと円の差は数値上はわずかだが、金利、景況感のいずれの面でも円は分が悪い。イランマネーがこうした流れから著しくかい離する事態は想定しづらい。(GI 今 晶)

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